萩尾望都「萩尾望都作品集 なのはな」

丁度1年前、被災地に暮らす両親の安否に不安を感じながら、私は萩尾望都さんの『春の小川』を読んでいた。そして今日、また萩尾望都作品を読んでいる。あの日からずっと私は迷っている。力が弱まれば他者に奪われ、力を得れば自ら失う事となる。収録作品『雨の夜』で描かれているように私たちは”伯爵”と一緒に生きることを余儀なくされている。もう戻れないのだろうか?あの日から”絶対”と言う言葉が消えてしまった私の心は今も揺らいでいる。

萩尾望都作品集 なのはな
小学館 フラワーコミックススペシャル
2012年3月12日初版発行


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宮沢賢治・漫画館2

豪華な執筆陣の中で知らない作家さんの漫画がありました。1、2巻に収録されているスズキ・コージ(鈴木康司)氏の作品です。今回が漫画初挑戦のスズキ・コージ氏は絵本で活躍されている作家さんです。その作品は素朴な味わいの中に非常に力強さを持っています。漫画家だけでなく版画家やイラストレーターの作品を収録する事により、如何なる手法においても宮沢賢治の世界は表現できるのだと実感しました。(2001年6月16日「漫画の館」より)

  • 追伸-本日で400日連続投稿達成。明日からは不定期に少しずつ更新していきます。

宮沢賢治・漫画館2
潮出版社
1985年8月15日初版発行


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山田章博「紅色魔術探偵団」

山田章博さんのコメディ作品は実に面白い。お馴染みの小悪魔がマッドサイエンティストのドクター・フーとその助手の梨華に翻弄されている様が可笑しいです。人を超越した存在でも変人には敵わないと言うのが良いですね。パロディ的要素もあるので元ネタを知っていると更に愉しめます。

  • 追伸-新装版には第9話『紅色魔術探偵団 編成前夜』が収録されています。

紅色魔術探偵団
学習研究社 ノーラコミックスDELUXE
1989年8月24日初版発行


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寺田克也「西遊奇伝 大猿王」

圧倒的な画力ゆえに画集かと思われがちですがこれは立派な漫画作品です。アメコミ好きの私は当たり前のようにオールカラー作品を読んできましたが『西遊奇伝 大猿王』は特に色に重力を感じる作品です。その重みが絵の迫力を更に増大させています。ひたすら暴れまくる大猿を見ているだけで愉しくなります。

西遊奇伝 大猿王 第1巻
集英社 ヤングジャンプコミックス・ウルトラ
1巻1998年12月18日初版発行


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高橋葉介「夢幻紳士-怪奇編」

シリーズ第三弾で遂に青年の夢幻魔実也が登場します。掲載誌の『メディウム』を手にして「こんな夢幻紳士を待っていた」と感激した事を思い出します。この作品にはこれまでの葉介作品とは異なる“色気”や“艶”があります。そして怖さよりも優しさを、狂気よりも愛を感じてしまう作品です。

夢幻紳士(怪奇篇) 第1巻
徳間書店 アニメージュコミックススペシャル
1巻1986年11月20日初版発行


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萩尾望都「イグアナの娘」

この作品を読むと自分の事ばかり考えてしまいます。親になったら親の気持ちが解ると言う人がいますが、親になって尚更に理解できない事もあります。我が子を愛さず虐待する親の気持ちです。親に愛されない理由を私はずっと考えていました。そして納得できる答えを欲していました。『イグアナの娘』を読むとホッとします。愛せない理由や愛されない理由など考えたところで解り許しあえるものではないのです。「イグアナに見えるから愛せない」であれば理解できます。イグアナに見えていたのなら仕方がないのです。そう思ったら気持ちが楽になります。

  • 追伸-幼き頃、母が爬虫類に見えていた。だから私は“爬虫類の子”なのです。我が子は私が何に見えているのだろうか?

イグアナの娘
小学館 プチフラワーコミックス
1994年7月20日初版発行


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吉田光彦「こま綴り二重星」

表紙絵の線と色使いが堪らなく好きです。この描線と彩色の仕方が吉田光彦なのです。もう表紙だけで満足してしまいます。過去に発表された選りすぐりの短編作品の他に『鳳仙花鉄道』や『月蝕歌劇団ポスターコレクション』も収録されています。いつの日か画集が出版される事を心から望んでおります。

こま綴り二重星
道出版
2004年12月15日初版発行


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