坂口尚「星の界」

文庫本があまり好きになれない私ですが、VERSION(バージョン)下巻の文庫本は所有しています。何故なら、この本には単行本未収録作品である短編『星の界(ほしのよ)』が特別収録されているからです。『星の界』は手塚治虫先生が亡くなられた直後に描かれた追悼作品で、1989年4月号の『コミックトム』に掲載されました。

VERION 下巻 講談社漫画文庫
講談社 講談社漫画文庫
2001年1月12日初版発行

  • 『星の界』について

手塚先生が亡くなられた直後、各誌に著名人や漫画家からの追悼文が掲載されました。皆様、沢山の言葉で手塚先生の生前の思い出や、作品の素晴らしさなどについて語られていました。その中、坂口尚さんからの追悼文もあったのですが、たった一言『手塚先生、有難うございました』と書かれているだけで、私は何か素っ気無さを感じました。

その後、すぐに追悼作品『星の界』が発表され、初めの数頁を見て驚きました。『星の界』は完全なSF作品だったのです。物語は2人の宇宙飛行士が宇宙船の修理の為、何の変哲も無い小惑星に着陸する所から始まります。作品の内容については詳しく話しませんが、作中に”手塚治虫”と言う名前は一切出てきません。しかし、他のどんな追悼作品よりも、『星の界』は手塚先生に捧げるのに相応しい作品なのだと思います。

星の界

坂口さんは多くを語りません。沢山の言葉を並べなくとも伝わる事の素晴らしさを大切にされていた方だからです。ですから追悼文の一言も実に坂口さんらしく、重みのある、心のこもったものであったと思います。

『星の界』の最後は主人公達のこんな言葉で締めくくられています。『巨きな恒星に出合った。その光は新しい世界を照らし出すだろう。俺達はその光と熱を浴びたんだよ』私も浴びました、その光と熱を。(2001年2月9日「漫画の館」より)

  • 追伸-明日は手塚先生の命日です。


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werdna について

初めましてwerdna(ワードナ)です。漫画作品や漫画本との出会いや思い出、読んで感じた事など書いております。2000~2009年まで「漫画の館」「丸尾マニア」などのサイトを公開していましたが、2010年に閉鎖しました。以前サイトに掲載していた漫画の感想などもブログに更新しようと思います。作品の紹介や論評になっていないものばかりで、作品を知らない方には意味不明な文章になっていると思いますが読んで頂けたら幸いです。
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