板橋しゅうほう「妖術本舗」

SYUFO版ゴーストバスターズです。妖術を駆使して悪霊などを退治する五つの話が収録されています。話のテンポが良いのはいつもの事ですがこの作品は暴走せずに終わっています。ある意味で異色作かもしれません。個人的には後先考えずに突っ走ってぶっ壊れるSYUFO作品に魅力を感じてしまいます。

妖術本舗
講談社 モーニングKC
1991年9月21日初版発行


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宮沢賢治・漫画館1

美しい佐藤国男氏の木版画の扉絵にはじまり、カラーイラスト、畑中純氏の版画、そして五つの漫画作品が収録されています。作品ごとに板谷英紀氏のコラムも掲載されていて一層、宮沢賢治の世界を探求できます。素晴らしい作品に出会える機会はあっても、素晴らしい本を手にする事は決して多くはありません。この漫画本を世に送り出してくださった全ての関係者に感謝します。(2001年6月16日「漫画の館」より)

宮沢賢治・漫画館1
潮出版社
1985年8月15日初版発行


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山田章博「続・夢の博物誌-夢の博物誌b」

収録作品『夏人記』には歌舞伎役者の女形が登場します。美しき者は女性のように描かれる事が良くありますが山田さんの描く女形は女性ではなく女形の美しさを持っています。ところで先月、歌舞伎を見に出かけました。見るたびに歌舞伎には漫画に通じる魅力があると感じます。“拍子舞”には“動”の美しさがあり“見得”には“静”の美しさがあります。そして山田章博作品は“静”の美しさが際立っています。

続・夢の博物誌
続・夢の博物誌
東京三世社 マイコミックス
1988年6月25日初版発行

夢の博物誌b
夢の博物誌b
日本エディターズ
2001年10月10日初版発行


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小池桂一「ウルトラヘヴン」

ドラックが合法化された世界の物語。連続画とコマ割りを効果的に描き、漫画ならではの手法で精神世界を視覚化している。この作品を読むと夢や幻覚は現実の視覚と比べると実は漫画的なものではないかとすら思えてしまう。『ウルトラヘヴン』はペーパードラッグと評されるだけあって本を一度読めば枕元から遠ざけられない依存状態がしばらく続きます。3~4年に1冊の間隔でしか続巻が発行されないのは中毒にならないように配慮されての事なのかもしれません。

ウルトラヘヴン 第1巻
エンターブレイン ビームコミックス
1巻2002年3月8日初版発行


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高橋葉介「夢幻紳士-冒険活劇篇」

『夢幻紳士(マンガ少年版)』に続くシリーズ第二弾が冒険活劇篇です。文庫化前の初版本は各巻ごとにサブタイトルが付けられていましたが同じ世界観を持つ連作ものです。ただし回を重ねるうちに主人公の性格やサブキャラの体格が変わり内容も冒険活劇からコメディに変化していきます。この作品以降の夢幻紳士シリーズは青年の夢幻魔実也しか描かれていません。時には少年探偵の活躍も読みたいものです。

夢幻紳士 冒険編
徳間書店 アニメージュコミックス
1巻 冒険編 1984年1月10日初版発行


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萩尾望都「アメリカン・パイ」

『萩尾望都の世界展』『萩尾望都原画展』に展示された素晴らしき作品の中で特に目を奪われたのは『アメリカン・パイ』の扉絵だった。夕焼けに染まる風景とリューとグラン・パが鮮やかな朱色で描かれている。この赤は心と目頭を熱くする。初めて読んだ当時は泣けなかったのに今は扉絵からリューの歌声が聞こえてくるようで泣けてしまう。私も年をとったのだなとしみじみ思う。

  • 追伸-老若男女いろいろな方が原画展に来られていましたが50代と思われる女性が圧倒的に多かったような気がします。

アメリカン・パイ
小学館 プチコミックス
萩尾望都作品集第Ⅰ期第17巻
1977年10月10日初版発行


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吉田光彦「ばく食え」

吉田光彦さんの14年ぶりの作品集です。只々「お帰りなさい」と言いたい。本作品集に収録されている短編作品は全て高橋克彦さんの小説をコミカライズしたものです。吉田さんは長い間、高橋克彦作品の挿絵を担当されているので相性は抜群に良いです。挿絵を描くイラストレーターの中でも漫画を描いてきた絵師の挿絵は何処となく違った味わいがあります。それは一枚絵に連続画の魅力を感じてしまうのです。そしてこの作品集には一枚絵と連続画の魅力の両方が凝縮されています。

ばく食え
祥伝社 祥伝社文庫
2004年10月20日初版発行


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